・プロフィール


島口  暉生

島口  暉生|SIMAGTI Teruo

 

札幌生まれ。西洋建築への熱き想いを”浪漫地詩図夢(ろまんちしずむ)”と名づけ、全国に遺る明治~昭和初期の西洋建築をフリーハンドで克明に描く立面図風の画面は独特で、稀有の存在。わが国に未確立の”建築画”という新ジャンルに挑戦中。モットーは入魂”

島口暉生が描く美しい建築画には、大正・昭和両天皇お買い上げ、今上陛下の皇太子時代、献上の栄に浴した「島口」の馬具づくりの技術に一脈通ずるものがあり、50才(知命の歳=天命を知るの意)を機に全国の西洋建築を詳細に描き残すことを天命としました。併せて、訪れた街の印象を歌にしています(作詞・作曲)。

 

”浪漫地詩図夢” とはまさに、浪漫の地の詩(うた、文章)であり、図(絵・画)であり、夢であり、島口暉生アートの基本的コンセプトを簡潔に表現する、自身による造語です。札幌市中央区円山在住。

 


・略歴


1940年、札幌生まれ。明治23年(1890)創業、後世まで続いた最古最大の馬具製造卸商の四代目次男。昭和39年(1964)、三代目(父)が輸出用馬具製造会社として札幌に設立し、工場を歌志内市に設けた「オリエントレザー」社は、現在の「ソメスサドル社」(馬具・バッグ製造)です。 



島口  暉生

・画の特徴


遠近法による死角を失くし、ファサードをフリーハンドにより立面図のように描いています。

 

人間の目もカメラも視点は一つですから視界には限界があり、そのためファサードを一覧できません。建物から突き出た壁が死角を作り、屋根の上にある小窓などの飾りも地上からでは見えないかもしれません。そのためにファサードを立面図のように克明に描いています。それには幾つものポイントからの写真撮影が必要となります。特に建物の上部等は隣接する高所から撮影することになります。因(ちな)みに横浜、神戸、長崎3都市60点の建物の取材には、2,000枚以上の写真を撮りました。そして、写真では部分しか撮れず、しかも遠近法で写るので、部分部分のつながりを考えながら全体の形を描き出すことが、一つの大きな仕事となります。最近は図面のあるものは図面を取り寄せて参考にしますが、図面がないことが多く、又あっても実際と異なる部分がありますので注意が必要です。

 

レンガや瓦、板の張り方、石やレンガの組み立て方等、できるだけ忠実に”一入魂”をモットーとして描いています。窓枠や扉は基本的にガラス部分を塗りつぶすことにより複雑で美しい枠の形状や雰囲気を浮き上がらせることに神経を使っています。又、普通の”絵”の印象を避けるため、原則として陰影をつけていません。

 


・年譜


1987年
建築レトロ絵図「函館浪漫地詩図夢」(店舗篇)制作。1988年 同「小樽同」(同)制作。1989年 同「札幌同」(歴建篇)制作。
1992年  春と秋2度に亘り、横浜・神戸・長崎を取材。全国シリーズ化を目指し制作開始。全国のまちの歌、「浪漫地詩図夢シリーズソング」作詞・作曲。札幌/さわやかな少女 小樽/雪舞 函館/今日、ひとり 横浜/いつか-Over the Bridge- 神戸/AGAIN-ファッショナブルガール- 長崎/紫陽花-あじさいの花-
1993年 建築レトロ絵図「横浜浪漫地詩図夢」制作。同「神戸同」(同)制作。同「長崎同」(同)制作。
1994年

 「浪漫地詩図夢シリーズ」イラスト展開催。札幌/丸善 サッポロファクトリー 東急イン  函館/金森洋物館 小樽/運河プラザ ホクレンふうど館 神戸/大丸ジーニアスギャラリー 長崎/グラバー園 横浜/岩崎博物館    

1995年

横浜/青葉台東急百貨店 東京/松屋銀座 銀座伊東屋 横浜/はまぎんカルチャーパーク(都市の記憶を描く3人展出展) 長銀ロビー展/大手町、東京、札幌、神戸各支店 函館/金森洋物館 札幌/大丸藤井セントラル 小樽/運河プラザ 札幌/東急 百貨店

1996年

札幌/大丸藤井セントラル 東京/ざくろ坂ギャラリー(セレクション展出展) 「東京」、「大阪」、「京都」を取材、制作着手。

1997年

東京アユミギャラリー、武蔵野美大鷹の台ホール(「近代建築史への旅」出品) 「西洋建築めぐり-札幌 小樽 道央圏-」を北海道新聞に連載。(画と文63回)98年まで。

1998年

「西洋建築めぐり-札幌 小樽 道央圏-」終了、原画展開催(三越札幌店)。

1999年

「神戸異人館」制作。青山学院創立125周年記念制作。札幌地域情報サイト”サッポロフューチャースクエア ”に「札幌散策いまむかし」を連載(画と文全12回)。「新潟」取材制作。

2000年

JR北海道社内誌”The JR HOKKAIDO”にて「北海道の西洋建築」連載(画と文3回)。「北九州」を取材制作。北海道新聞コラム「プラネタリウム」に執筆。「北の風男声合唱団」を結成、編曲、指揮。

2001年

青山学院季刊誌”青山学報”にて「全国の西洋館・街物語」を連載(全8回)、03年まで。「札幌」「小樽」など初期作品の修正・描き直し。

2002年

青山学院大学世田谷・厚木両キャンパス撤収移転記念制作。画文集出版のため全作品見直し・修正・描き直し、2007年まで。

2006年

「山形」「鶴岡」を取材、制作着手。

2007年

「山形」制作。


               『西洋建築慕情』
         『西洋建築慕情』

2008年   「画と歌とエッセイでつづる 浪漫地詩図夢作品集『西洋建築慕情』」上梓。

2009年   「福岡」制作。

2010年  世界遺産候補「長崎の教会群」取材。

     (五島列島、平戸、佐世保、長崎など計39棟の教会と関連施設)。

2011年  「下関」制作。「長崎の教会群」制作着手。

2012年  「弘前」取材。

2013年  世界遺産候補「長崎の教会群」(40棟)制作。

2014年   JR桜木町駅(横浜)リニューアル工事で作品が壁画に採用される(6種6面)。     

    島口 暉生「長崎の教会群」建築画展』開催(ナガサキピースミュージアム)。

2015年  「弘前」制作。

2016年  ニトリ小樽芸術村「ステンドグラス芸術館+アール・ヌーヴォーグラス館」制作。

     『島口暉生「道内3都市西洋館」細密画ミニ展』開催(札幌時計台)。